ウイグルを応援する全国地方議員の会、発足より2年。

2022年11月18日 お知らせ, 会員blog

 地方議員の会は、令和2年11月18日、衆議院会館において発足しました。議会形式に即して手続きを進め、その他の地方議員組織と比較しても遜色のない、極めて公式性の高い運営を心がけてきました。特色としては、地方議会同様の議案審査制を採用している点であり、会の決定については議案として会員にお諮りし方針決定を行っている点です。

 

第一回 代表理事会(議案審査一覧表)

(リンク先、議案書および発足時の写真)

 2年間の実績としては、102自治体議会において意見書を採択に導きました。これは、日本ウイグル協会と共同し約1700地方議会のすべてに要請を行ったものであり、地方自治法第99条を根拠法令としています。衆院決議に先立ち多数の意見書を通していくことで側面支援を行い、特に自民・公明・維新が拮抗する大阪府議会での全会一致を始め、各党の調整をボトムアップで行いました。また、これらの採択状況については国会議員同席のもと、ウイグル協会とともに記者会見を開催しました。

 これらの活動を受け、日本ウイグル協会から表彰を賜りました。また、世界ウイグル会議のドルクンエイサ総裁をはじめ世界各国の要人が当会の代表理事会に実際に参加してくださり、議案に対する質疑応答の形で(当会とも連名の)要望書の字句修正にまでお力添えを頂くことができました。本要望は、萩生田政調会長ら、自民党幹部にも提出され報道に掲載された次第です。

 当会の活動は目立たない部分にこそ力を割いてきました。全国各地において日本ウイグル協会と共に多数の証言集会を開催。とかく東京中心となりがちな政治活動において、きちんと全国隅々まで世論喚起を呼びかけ、各党の地方議員から賛意を取り付ける努力を行ってきました。また、在日ウイグル人の生活相談等も(通常の在日外国人の生活相談の援用として)粛々と受け続け、強制送還等の強硬な処置に我が国が入らぬよう、その一歩手間でなんとかするという最前線を務めてきました。

 これは、実は世論形勢における最前線でもありました。「”中国が新疆ウイグル自治区と称する地域”における酷い状況」は、在日ウイグル人からお伺いするよりありません。かと言って、その告白は家族の危険にも直結し、また報告する窓口も存在しなかったため(日本ウイグル協会の一部の役員を除けば)具体的な証言が得られなかったのが実態でした。

 日本に入国した直後の方のほうが、より最新のウイグル情報を持っております。しかし日本語は話せず、翻訳の問題をはじめ問題は山積しておりました。例えば、我が国の国内法も障壁となっており、在日ウイグル人のみならずチベット人やモンゴル人らも、全て中国籍としてカウントしてしまう運用実態であったために、どなたが本当のウイグル人かという判断すらできない状況からスタートしました。この部分については、より広範に浸透しているという意味で日本ウイグル協会からの側面支援がなけれ、いかに地方議員と言えども実施不可能な施策でありました。

 陳情処理という地道な活動。まさに地方議員にしかできない、功名心からであれば絶対に対応できない、地道すぎる活動の積み重ね。生活相談のみならず、中には帰化申請の相談・在留資格の問題等々、一部の著名な在日ウイグル人だけに限らず、全国を津々浦々しつつ丹念に陳情を処理しながら個々の信頼関係を深めてきました。ずっとその地を守る責務を帯びた、その地の地方議員が窓口となって守り続けると相互信頼が成立する中で在日ウイグル人からの証言録が揃っていきました。議員には守秘義務があるため、特にセンシティブな個人情報が多数ありますから全てを開陳することはできません。こちらについては今後も同様に対処いたします。

 その上で、陳情者本人から特別にお許しを頂いた場合については、著名な評論家である三浦小太郎先生をはじめ保守系評論家や新聞社に情報を提供し、結果として「新疆ウイグル自治区と呼称される地域」において何が行われているのかを伝聞情報の形とはいえおぼろげながら明らかにすることができました。この部分は極めて地味であり、ものによっては報告書も公開すらできないため誰も知らない実績ではありますが、我が国の政治家として真摯に取り組んできた部分です。

 我が国の政治組織としてレポート化し、常に最新状態を保持し続けていることが当会の最大の責務だと考えます。結果として秘密主義と言うご批判もございますが、陳情者およびご家族の危険を我々のみの判断で犯すことはできませんので、陳情の処理状況については今後も同様の対応をとらざるを得ません。ただし、当事者より特別の許可を得た場合においては今まで同様に信義則に基づきメディアへの情報提供も行います。

 末尾になりますが、私どもウイグルを応援する全国地方議員の会は、日本ウイグル協会を唯一公式の窓口と認定し、ウイグル人自ら(在日ウイグル人・帰化済みウイグル人)が発信できるよう尽力してきました。

 いま日本ウイグル協会は、その規模・組織性また公式性も含め、明確に政治にコミットできるだけの組織体制となったと認識しております。要請を受けた場合には助言を行ってきましたが、本件がここまで日本人に周知されたのは彼ら自身の努力があってこそであり、ここに当会発足の2周年を報告するとともに今後の日本ウイグル協会の発展を祈念し、何より”新疆ウイグル自治区と称される地域”の人権問題が早期に解決されるよう地方議員組織としても全力を尽くすことをお約束いたします。

 様々な支援を頂いていてきたウイグル国会議員連盟を始めとする国会議員の先生方に、また日本ウイグル協会の皆様に、お支え頂いた全ての日本人に感謝いたします。

 

ウイグルを応援する全国地方議員の会

 

 

ウイグルを応援する全国地方議員の会

会としての公式見解になります。

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