綾瀬市議会議員の笠間昇です。
ウイグルを応援する全国地方議員の会では、副会長兼政務調査会長を拝命しております。
2日間に渡り計画された関西での四地点連続大規模街頭活動における二箇所目は神戸三宮駅前でありました。初日の最終地点であります。16時の開始であり夕刻ではあったのですが現場は非常に蒸し暑く、街頭活動における環境としては皮切りの難波駅前と変わらずに厳しいものとなりました。しかし、そのような過酷な環境ではありましたが、日本ウイグル協会らウイグル人とともにボランティアらは負けることなく街頭活動を行いました。
神戸会場で特筆すべき成果としては、夕方のニュースでテレビ報道されたことです。関西圏において、ウイグルに関する草の根活動が実施されている実態がひろく広報されたことは、この街頭活動を行ったことの大きな成果だと思います。
また、街頭活動終了後において意見交換会を開催したのですが、非常に素晴らしい場になりました。本当に一体感というか、相互の信頼が深まった場でした。東京からウイグル協会に所属するウイグル人も多数が参加していたのですが、関西在住のウイグル人達も多数が参加しました。実は地方議員の会は、多数の陳情処理を実施してきておりました。関西からの陳情も処理しています。それらの事例発表もあり、一部については報告いたします。
共に街頭活動を行い、その上での意見交換会は本当に意義深いものになりました。参加した各議員からは、相当に踏み込んだ発言が相次ぎました。
この運営方法については一部で「自由に写真や動画が撮影できない」と、批判が出ているようであるが、ウイグル人の個人情報(顔バレ)を守るのに有効であったことが確認できたので今後も続けることにしたい。
私は動画投稿をよく行っているので撮影班になりたかったのでありますが、“鉄笛を装備し妨害者や不審者を注意する係”に抜擢され願いは叶わなかった(笑)。実は大量の撮影機材を持ち込んでいたのですが全てただの荷物と化した…。しかし、与えられた役割を果たすのは組織人としては当たり前。文句を言わずに頑張りました。 チラシ配りをしつつ、街頭演説を行いつつ、それでも周囲を警戒していく。いざとなれば警笛を吹くのだ、そういう目で周辺警戒を行い続けると、これはこれで勉強になりました。
街頭活動の、ひとつのメインは演説になります。
もう一つの主役は、一枚一枚、丁寧にチラシを渡していく一人一人です。
神戸三宮駅で演説をしてくださったのは「日本ウイグル協会 副会長 ハリマト・ローズ氏」「神戸市議 上畠のりひろ氏」「堺市議 西川 良平氏」「東大阪市議 野田しょうこ氏」「行橋市議 小坪慎也氏」「泉南市議 添田しおり氏」「和泉市議 坂本 純一氏」そして私「綾瀬市議 笠間 昇」他にも一般の関係者とかなりの大人数、この他にサポートスタッフを合わせると街頭活動参加者(在日ウイグル人含)は40名以上の大所帯となりました。
地方議員勢揃い
(左から、添田しおり泉南市議、上畠のりひろ神戸市議、ハリマトローズ副会長、野田しょう子東大阪市議、小坪しんや行橋市議、西川良平堺市議、笠間昇綾瀬市議、坂本純一和泉市議)
演説者が多過ぎかとも思いましたが、前述した通り当日はかなりの暑さで、一人一人の演説時間は熱中症予防のため少々短めにせざるを得ない状況だったので、多すぎるということはありませんでした。 動員した議員数が多すぎるか?とも思っていましたが、むしろちょうど良かったです。
街頭演説の様子
(神戸市議 上畠のりひろ先生)
(堺市議 西川良平先生)
(当会副会長・総務会長 東大阪市議 野田しょう子先生)
(当会代表理事 泉南市議 添田しおり先生)
(当会副会長・幹事長 行橋市議 小坪しんや先生)
(当会副会長・政務調査会長 綾瀬市議会議員 笠間昇)
街行く人の反応は良かったと思います。
神戸で街頭に立つ前は、まだ日本人には問題意識は希薄なのではないかと考えていたのですが、想像を裏切られる結果となりました。また、議員たちが入れ代わり立ち代わりマイクで呼びかけ続けることは高い効果があったと思います。
当日は兵庫県知事選の選挙期間と被っていたので選挙活動と誤解される方もいたのですが(実際に知事選の選挙カーも何台も通り過ぎました。)、「選挙ではありません。ウイグル問題です、いま実際にウイグル人が街頭演説やチラシ配りを、ここ神戸でやっております」と議員たちは呼びかけ続けました。
ウイグルの人権啓発だと知ると立ち止まって聞いてくださる方もおり、チラシを受ける人はかなりの数にのぼりました。徐々にではありますがウイグルの人権問題は世の中に広まっていることを体感することができました。
難波会場のみならず、神戸においても街頭活動の途中にはウイグル人に絡んでくる方もいました。予め決めてあったスタッフや議員により対処ができました。ホッとしましたし、スタッフ等を決めておいて良かったと思える出来事。見ていて感じたのは、やはり地方議員は手慣れているということ。私一人だったら、ここまでスムーズに対処はできませんが、衆院選などの会場責任者はだいたい市議らがやっており、誰もがそれなりの経験を積んでいます。複数の地方議員が集団として配置された場合、あうんの呼吸で組織対応をしていきます。
最初は地方議員たちも「相手は中国か?」と緊張しておりましたが、選挙におけるトラブルと似ていると途中で気づき、議員らは「あるある笑」と慣れた様子。よく考えてみれば街頭活動の経験値は、地方議員はたくさんあります。
今後、より一層安全に活動をする糧にしたいと思います。
私(笠間)が街頭演説中の写真です。
神戸の上畠議員とチラシ配り中の添田議員、警戒中の小坪議員です。
他の議員がマイクを握っている間はチラシ配りを行ったり、会場警戒を行っています。議員間で内々の協議、陳情の処理状況を共有したりしています。(意外に大事。)
これだけの地方議員が参加し、交代でマイクを握っているからこそとれる余力であり、だからこそ警戒態勢を最後まで維持することができました。
この街頭活動は、ウイグル協会の主催です。
副会長のハリマトローズさんたち、ウイグル人が主役です。安心してチラシを配れるよう、周囲を地方議員がガッチリとガードしていました。
ウイグルの人権問題を訴え 神戸市内で抗議集会
中国の新疆ウイグル自治区で重大な人権侵害が行われているとして、日本で暮らすウイグルの人たちなどが抗議集会を開きました。
10日午後、神戸市中央区で行われた抗議集会には関西圏で暮らすウイグル出身の人や支援者など十数人が参加しました。 中国の新疆ウイグル自治区では少数民族のウイグル族の人たちに対し政府による拷問や強制労働、強制収容などの重大な人権侵害が行われているとして国際的な問題になっています。
集会に参加したハリマト・ローズさんはウイグル人への弾圧について国際社会はもちろん、一人一人が問題意識を強く持つべきだと訴えました。
活動を主催するNPO法人日本ウイグル協会はホームページなどを通じても人権侵害の問題を訴えています。
実際のニュース報道
疲労もあったのだと思います。言葉では表現しがたい、ものすごい一体感が生まれたのです。
すでに二会場目で、参加した議員らもかなりボロボロでした。意外に思うかもしれませんが、地方議員は(特に衆院選や参院選では)現場仕事がメインで体力勝負なところがあります。夏の炎天下であっても上着着用は当然で、何会場もまわって立ち続けることが責務。
その歴戦の議員たちですらフラフラでしたから、ウイグル協会や在日ウイグル人の皆様、またボランティアで応援に駆け付けてくださっている皆様の疲労は尋常ではなかったと思います。やはりこれは暑さ、そして日差しによるものでしょうか。
共に戦い抜いたのち、全ての参加者の中に不思議な一体感が生まれました。
この会場を無事に成功に終えることができたとき、地方議員の会に対してウイグル協会から御礼の言葉がありました。(別途、日本人支援者らへの御礼の機会もありました。)
写真だけでは伝わりきらないかもしれませんが、会場での一体感は凄まじいものがありました。本当に、これで一緒にやっていけるな、と。
(ウイグル協会から御礼、地方議員の会から答礼)
(みんなで記念撮影)
※ 特に神戸会場では、顔バレNGのウイグル人が多かったため、写真に写っているのは一部です。意見交換会の項目で触れている(当会が支援した)陳情の方たちも来ており、表に出てくる人たちではありません。
余談になりますが、関西圏では神戸に集中的に在日ウイグル人が在住しているという話も聞いたことがあります。大阪府は中国の影響が強いというイメージもあってでしょうか、県境をまたいだ兵庫県、特に神戸を生活基盤にしている方も多いようです。
その内容は次のようなものであった。「何か困ったことがあれば先ずは当会に所属する地方議員に相談して欲しい。我々は必要な機関と交渉する手段を持っています。」「啓発活動は地方議員の得意とするところ、これからも一緒にこの問題を訴えていきましょう。」というものがメインでありました。私は果敢に笑いを取りに行ったのですが、スベってしまったのでここでの内容報告はしません(笑)
”困ったこと”(陳情)と言ってもピンと来ないかもしれないので一例を示します。例えば神戸の場合は、ビザの問題を対処しました。これは留学ビザで日本に入国していた若いウイグル人学生が、卒業してしまうという問題です。実は卒業すると留学ビザは失効してしまい、就職せねば就労ビザには切り替わりません。コロナ禍においては外国人の就職は容易ではなく、卒業=強制帰国となる危険性がありました。これは地方議員の会として陳情を受け、我々が対処した事例です。その若い学生さんたちも街頭活動に参加してくれていました。
少し専門的なことを書くと、就職先はどこでもいいわけではありません。大学の場合はまだ融通が利くのですが、専修学校の場合は習った学問と同じものでなければ「就労ビザには切り替えが難しい」という問題があったのです。地方議員らの総力を挙げて調べて行った結果、ちょっとした特例ルールを見つけることができました。方法についてはネットには公開いたしません。その学生さんたちは本当に感謝してくれていて、必死にチラシを配ってくれました。
実務的には幹事長の小坪議員が陣頭指揮をとり、複数の国会議員らも共闘、今はなんとかなったというものです。
意見交換会では、日本ウイグル協会および東京から来た多数の在日ウイグル人のみならず、関西に在住のウイグル人も複数が参加していました。この会議自体が物凄くシークレットなものでした。実際に、地方議員の会が神戸で対処した例も触れましたし、国対国の大きな話は国会議員に任せるとして、政治全体では小さな話であったとしても、それは個々人にとっては極めて大きな話なのだという話も地方議員からされました。その小さな話、個々人の人生にとっては大きな話を解決するのは地方議員である、と。
案件がバラバラになってしまうと処理が大変なので(類似の事例は複数あるため、できれば同時に処理させて頂きたい。)、一旦はウイグル協会で取りまとめて頂いたのち、地方議員に振ってほしいと伝えました。例えばウイグル問題から離れ、経営者も多かったですからコロナ関連の助成金の申請書類の書き方だったり、いわゆる生活相談全般をお受けする、と。私は不動産(賃貸)に詳しく、また農家を兼業しておりますからそれに関連する相談は乗れます。
神戸で何か困りごとがあれば、神戸市議の上畠議員が対応してくれます。また大阪府にまたがる話であれば、堺市議の西川良平議員が受けると言ってくれました。兵庫県(特に神戸)に住民票を持ちつつ、仕事については大阪府とも深い関わりがある方も多く、神戸市と大阪府の政治家の両方からのサポートが必要です。
意見交換会には、神戸市議(自民)の上畠議員が、また大阪府からは堺市議の西川良平議員、東大阪市議の野田しょう子総務会長、泉南市議の添田しおり議員が参加してくれていました。相互の援護体制について具体的に全ての議員が同意し、ウイグル協会および関西在住のウイグル人の前でお約束することができたことは大きな意義があったと思います。
地方議員の会のスタンスや陳情の対処事例については、ウイグル人から複数の質疑応答がありました。非常に喜んで頂けたというか、昼からの街頭活動の一体感も含め、本当に私たちが一緒にやっているという実感を共有することができた場でした。
陳情処理の質疑応答については、個人情報だけではなく進行中の事案が複数含まれるためネット上での公開は控えさせてください。
繰り返しになりますが、バラバラに持ってこられた場合には処理が煩雑になりますので、それも含めて一本化してもらわないと政治家は動けないという発言もありました。
ウイグル人の参加者からも様々な意見や話、我々地方議員の街頭活動の能力に高い評価等がありましたが、やはり特筆すべきは関西圏在住のウイグル人が多数参加していたことである。
今回の街頭活動を切っ掛けに今後は日本ウイグル協会に所属した方もいたそうで、結果としては意見交換会に参加した関西圏のウイグル人は一丸となってウイグル協会に一本化し、むしろ心から一体化し、共に啓発活動を行なっていくことになりました。これは嬉しい今回の街頭活動の副産物である。
今回の街頭活動はかなり大規模なものであり、地方議員の会ではカバーしきれないのでは?という不安もありました。四府県にまたがる大規模な連続街頭活動であり、県警の所管も毎回変わります。万が一のトラブルが発生した場合のリカバリー体制構築も楽ではありませんでした。
確かに我々地方議員の政治力は大きくはないのでしょう、国会議員に比較すればカバーしているエリアは極僅かです。しかし大阪会場では大阪の地方議員たちが、兵庫県の会場では神戸市議が、翌日となる奈良会場では奈良県の議員が、京都会場でも京都の議員が参加しています。範囲が狭いのは事実かもしれませんが、こと地元の都道府県であれば、地元の地方議員は国会議員と同等クラスで状況が正確に把握できるのです。そこを(市外の)地方議員たちが相互に協力して応援体制を整えていく。事実、神戸会場のみならず奈良や京都においても大阪の議員たちは援護に駆け付けています。
不安がなかったと言えばウソになります。しかし、各拠点の地方議員が協力してくれれば全国どこでも街頭活動や証言集会を開くことができると確信できる結果が得られたと言えます。
この結果を踏まえると、今後は地方議員の会を拡大させることがウイグル問題の存在を世の中に広めることに繋がると考えられる。
また、今回参加してくれた関西圏の在日ウイグル人の話から、日本ウイグル協会と我々が知名度を上げれば怯えて隠れ暮らす在日ウイグル人が日本ウイグル協会を知ることになり、当該協会が在日ウイグル人の身の回りの問題解決相談窓口になり得ること。
以上のことから「ウイグルを応援する全国地方議員の会の拡大」は必要不可欠である。
日本ウイグル協会 ハリマトローズ副会長の投稿
追記
今回、協力してくださった一般の方々や当会に所属こそしていませんが問題意識を持たれた地方議員の方々、マイクを握ってくれた国会議員の方には、深い感謝と今後のご協力のお願いも併せてここで述べさせていただきます。ありがとうございました。
ウイグルを応援する全国地方議員の会
副会長兼政務調査会長
綾瀬市議会議員 笠間昇
謝辞
日本ウイグル協会、清水ともみさんより本稿をご紹介頂きました。
兵庫(神戸)での街頭活動の報告、ウイグル人との意見交換会https://t.co/Ewa4rS0gK1 pic.twitter.com/Ru5caMuU6T
— 日本ウイグル協会 Japan Uyghur Association (@realuyghurj) August 2, 2021
ローズさんのおじきに日本を感じる😌https://t.co/f8XVhr2RfJ pic.twitter.com/Tchd85NkbX
— 清水ともみ (@swim_shu) August 2, 2021
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